2010年03月10日

ビジュアル・スウィッシュという

フォビア、すなわち恐怖症の克服というのは、記憶操作によって行います。
記憶操作はNLPにおいて非常に数多くあるテクニックですが、『ビジュアル・スウィッシュ』もその中のひとつですね。

ビジュアル・スウィッシュというのは、もちろんNLPの用語であり、技術のひとつです。
これは、過去の嫌な思い出を良いイメージに変換させるというものです。

こういった記憶操作は、実は頭の中で無意識の内に行われていたりします。
というのも、人間の精神は極めて脆弱だからです。
それを守る為、無意識のうちに記憶を都合の良い方向に変えるというのは、本能的な衝動のひとつです。
このビジュアル・スウィッシュは、それを意図的に行う作業なのです。

方法としては、まず忘れたい嫌な過去を思い出し、そのイメージを言語化します。
断片的な言語で構いません。

次に、それを一度リセットする為に、全く関係のない質問をします。
メンタルの治療における基本ですね。

リセットが終わったら、次にその嫌な過去に対し、こうだったら良かった、このような行動を取っていれば良かった、という理想の状況を想像します。
その状態を想像の中で絵にして、白黒にします。
そしてその絵を遠くに置き、もうひとつ今度は嫌な思い出をカラーの絵にします。
その二つの絵を、掛け声、あるいは息と共に入れ替えます。

このNLPの技術は、嫌な思い出と良い思い出を入れ替え、嫌な思い出を色あせ、遠ざけさせるという方法です。
刷り込みの為何度も行い、そして言語化させ、徐々にその言語にポジティブなものが加わるのを待つ、という技術ですね。
記憶操作は刷り込みが基本なのです。
  


2010年03月02日

フォビアとは何か

人間が抱える問題のひとつに、恐怖症というものがあります。
恐怖症は様々な種類がありますよね。

有名なところでは、高所恐怖所、閉所恐怖症、対人恐怖症などです。
こういった恐怖症のことを、NLPでは『フォビア』と呼んでいます。

NLPにおけるフォビアというのは、生まれつきのもので治しようがない、という概念ではありません。
それには環境が及ぼした作用が存在し、それが原因でフォビアが生まれたという捉え方をしています。
その為、このフォビアを取り除く方法も研究されているのです。

フォビアの治療を行う為には、まずフォビアがどういったものかを断定します。
高所恐怖症なら高所恐怖症、対人恐怖症なら対人恐怖症に絞るわけです。

次に、そのフォビアを形成する中での出来事を思い出します。
昔高い所に上った、などです。

これを終えると、次は全く反対の、気持ちのいい事を想像します。
ふかふかのベッドで寝ているなどです。
そして、これをアンカリングいます。

また、次に映画館で映画を見ているイメージを持ちます。
その映画には自分の過去の楽しい時の映像を写します。

今度はその映画を見ている自分を、外から見るイメージを構築します。
そしてスクリーンに恐怖体験を白黒画像で逆回しで写します。
このイメージはかなり難しいかもしれません。

これを繰り返す事で、NLPにおけるフォビアの治療とします。
これは、過去の嫌な体験を破壊する為の作業です。
嫌な体験を思い起こすトリガーごと破壊する事で、恐怖症を克服するという方法ですね。
  


2010年02月27日

サブモダリティー・チェンジとは

人間の記憶は、様々な要素が絡み合って構成されています。
その要素の事を、NLPでは『サブモダリティー』と呼んでいます。

サブモダリティーは、視覚、聴覚、感覚といったもので構成されております。
視覚の場合は明るさや色、動き、位置などですね。
聴覚は音量、音程、リズムなど、感覚は温度や感触、重さなどです。

こういったサブモダリティーに対し、記憶内での変化を起こさせる事で印象の改善を図るというアプローチがNLPにおいて存在しています。
『サブモダリティー・チェンジ』というテクニックです。
NLPでは、記憶操作によって自身のメンタル状態を向上させる方法がいくつかありますが、その中における基本的なものがこのサブモダリティー・チェンジですね。

サブモダリティー・チェンジの方法としては、ポジティブシンキングと同じような感じですが、そこからさらに踏み込んでいきます。

まず、上手くいっている状態をイメージし、そのサブモダリティーを確認します。
そこからさらに向上の余地があるかどうかを確認し、今度は上手くいっていない状態で同じ確認をします。
それを踏まえ、今度は上手くいっていない状態のサブモダリティーを、上手くいっているサブモダリティーとすりかえてみます。
この作業を繰り返す事で、徐々に上手くいっていない状態が上手くいっている状態のサブモダリティーに変化します。

変化した部分をそのままにして、また同じ作業を繰り返していく事で、脳内はポジティブな状態のサブモダリティーで満たされます。
これがサブモダリティー・チェンジです。
  


2010年02月17日

アイ・アクセシング・エクササイズ テクニック

NLPでは、視覚、そして目の動きというのを非常に重視します。
視覚は情報収集の最も中心となる感覚で、その感覚を操る事で、記憶をはじめ、精神面を改善させるというのが狙いです。
その為、NLPにおいては目というものは非常に大事な存在といえます。
その目を上手く利用し、過去の嫌な出来事や不安を払拭しようというのが、『アイ・アクセシング・エクササイズ』です。

NLPのテクニックのひとつアイ・アクセシング・エクササイズは、目を動かす事が基本となります。
その為、代表システムにおける、視覚優位の人にとって特に効果を期待できる技術といえます。

アイ・アクセシング・エクササイズの方法は、まず嫌な出来事。不安に関して思い出させます。
そして同時に、そのイメージや感情を言語化します。
この際、セラピスト側は目の動きを観察し、どの代表システムに優位性を持っているかを確認します。
そして次に、セラピストによる誘導で、目を動かします。
この後、再び同じ出来事や物事に対してのイメージをし、最初と違いが出ているかを確認します。

アイ・アクセシング・エクササイズは、目の動きを操作する事で、イメージの変換をさせるというものです。
視覚優位の人以外には利きにくいという難点がある一方、実践が簡単という事で、試しやすい方法ではあります。

人の記憶や感情というのは、実のところは外部からの操作で大分変えられるそうです。
そのためには、その人がどのような性質で、どのような変化を必要としているかを探ることが重要となります。
NLPの研究は、そこに集約されているといって良いでしょう。
  


2010年02月13日

8フレームアウトカムとは

ビジョンタイムラインの時に使用したアウトカム、すなわち目標や夢といったものは、NLPにおいて非常に重要な位置付けになります。

今の世の中、なかなか夢を抱く人が少ないという問題がありますが、その場合は当面の目標で構いません。
例えば、ダイエットをするという目標を立てたとしましょう。
この場合、アウトカムは「3ヶ月で5kg減らす」といったもので構いません。
これを軸に、NLPの技術を利用していきます。

アウトカムを達成する為のNLPのテクニックの中に、『8フレームアウトカム』というものがあります。
8フレームアウトカムというのは、アウトカムに対して8つの質問を行うというものです。
これに答える事で、アウトカムがより明確になり、具体的な達成までの行動プランが立てやすくなるのです。
その8つの質問は、以下の通りです。

・あなたの目標は何か?

・目標が達成された場合、どのやってそれを把握するか?
また、その証明となるものがあるか?

・目標はいつ、どこで、誰と作るか?

・目標を達成した場合、人間関係や周りの環境はどう変化するか?

・目標達成の為に必要な、あなたが持っている現在のリソースは?

・現在目標達成の為に止めているものがあるとすれば、それは何か?

・目標達成は、あなたにとってどんな意味があるか?

・具体的な行動プランはあるか?まず何からはじめるか?

これらの8つの質問に答えていく事で、徐々にビジョンが明確となり、目標に対するモチベーションが上がっていきます。
  


2010年02月09日

ポジション・チェンジ

ポジション・チェンジは、NLPにおける「The map is NOT the territory」の概念に基づいたテクニックです。
これは、割とNLPに特定したテクニックというよりは、多くの人が指導する際に用いる考え方かもしれません。
主にコミュニケーションの向上に用いる技術です。

人間は、同じ状況に関しても、それぞれに見方や捉え方が違いますよね。
それはなぜかというと、ポジションが違うからです。
個性という言葉で簡単に表現できるものではなく、その人それぞれの環境や状況が、同じ物事でも違う見方にさせるというのが、このポジション・チェンジの基本概念です。

実際にNLPとして利用するテクニックとしては、そのまま名前どおりポジションをチェンジする、という試みが行われます。
そのためには、まず3つのポジションを確認する必要があるでしょう。
それは、自分の視点、相手の視点、第三者の視点です。

イメージの仕方はそれぞれですが、このNLPではポジション=椅子というイメージを作ります。
椅子を自分のものと相手のもの、2つ用意してください。
そして自分の椅子に座り、相手の椅子を見ます。
この場合の相手は、コミュニケーションを図りたい相手と考えてください。
そこで、相手の椅子に対して自分の伝えたい事を伝えます。

次に自分を椅子に座らせたまま、精神のみを第三者のポジションにおきます。
そして、そこから客観的に二つの椅子を眺めます。

その次には、相手のポジションに座ります。
座るというよりは、元々イメージしてある相手に入り込む感じですね。
そして、自分が先ほど自分のポジションで発言した内容を受け、それに対しての回答を行います。
この際、相手の情報を把握していれば、その真似を行う事が望ましいです。
仕草やクセでも構いません。
相手に入り込む事が重要です。

この後、また第三者のポジションにいき、双方の関係を客観的に見ます。

これらの行動は、簡単に言えば「相手の気持ちになって考える」という言葉のイメージを具体的にするという感じですね。
  


2010年02月02日

ビジョンタイムライン

NLPの基本テクニックのひとつであるアンカリングには、いくつかの応用テクニックが存在しています。
そのひとつが、『ビジョンタイムライン』です。

ビジョンタイムラインも、NLPにおいては利用頻度が多いテクニックですね。

まず、タイムラインというものが何かご説明しましょう。
タイムラインというのは、過去、現在、未来を繋ぐラインです。
NLPならではの概念という訳ではなく、こういった時間軸というのはどのような分野においても共通の概念です。
このタイムラインを歩くイメージを作り、それによって過去のリソースを導き出すというのが、ビジョンタイムラインの基本的な方法といえます。

具体的に見ていきましょう。
まずは現在を中心としたタイムラインを作ります。
未来には目的などの達成地点を設定し、過去はそれを思い立った、あるいはその前の物心がついた頃を設定します。
それらを一本の線で結んでください。

次に未来における目標、あるいは夢でも良いですが、その夢を明確にします。
ここでの明確化は、数値などの客観的な形で表せるものが良いでしょう。
この夢、目標をアウトカムといいます。

アウトカムが決まったら、以下の3つの質問を自身に行います。

「そのアウトカムは実現可能か?」
「それを実現する能力を持っているか?」
「それを手に入れるのに相応しいか?」

それを確認した上で、現在地から未来へ向けて一本の線の上を歩くイメージを作ります。
アウトカムに至るまでの間、様々な映像や音が頭に浮かぶかもしれません。
それをしっかり確認しておきましょう。
アウトカムに辿り着いたら、その時の感覚、感情をしっかりと宣言します。
ここで重要なのは、記憶したりするだけでなく、実際に言葉にする事です。

今度は過去に向けて歩いていきます。
アウトカムに関連する記憶、体験を探しに行く感覚です。
まずひとつ目の体験で立ち止まり、それを今体験しているかのように語りましょう。
そして、この体験の直前にアンカリングを行います。

アンカリングを行いつつ、過去にどんどん遡り、ひとつひとつの体験、出来事で立ち止まり、そのたびにその体験を再び現在に呼び起こします。
これがビジョンタイムラインです。
  


2010年01月24日

サークル・オブ・エクセレンス

NLPには数多くのテクニックがありますが、そのテクニックの中でも応用などの形で派生しているケースがあります。
『サークル・オブ・エクセレンス』はそのひとつで、アンカリングの応用テクニックとして利用されている技術ですね。

サークル・オブ・エクセレンスの利用目的は、自身の精神状態をポジティブな方向に持っていくことです。
主にあがり症などの改善に利用するNLPのテクニックです。

サークル・オブ・エクセレンスは、まずイメージトレーニングから入ります。
自分の理想の状態、自分がこうあるならば最高の状態でのコミュニケーションが可能だ、という状態をイメージするのです。
そして、次にサークル、すなわち輪をイメージします。
色や形は自由です
自分の感性に忠実にイメージしてみてください。

次に、再度自分の理想の状態をイメージして、先ほどイメージした輪の中に入ります。
輪に入るイメージを作ってください。

そして、そのサークルの中で見えるイメージや聞こえる音、感覚を自身の中に取り込みます。
その体験をある程度行い、輪から出て全てリセットします。
その後また輪に入り、先ほどの感覚に再び入り込めるかを確認します。

これを数度繰り返し、すぐにそのイメージを掴める様にします。
これが、サークル・オブ・エクセレンスです。

このNLPの技術は、一種の暗示ですね。
輪はひとつのきっかけで、頭の中でその輪をイメージすると、条件反射的に自分が理想の状態を思い浮かべ、実際にポジティブな事が出来るような精神状態を引き出す、という点で、アンカリングの応用といえます。
  


2010年01月13日

NLPでのアンカリング

『アンカリング』というのは、NLPの基本テクニックのひとつです。

アンカーという言葉は、パソコンのインターネットにある程度詳しい人であれば、心当たりがあるかもしれません。

リンクと近いもので、特定の箇所をクリックすると、そのサイトのページのとある箇所に瞬時に飛ぶ事ができる機能です。
NLPにおけるアンカリングも、この作業と同じような感じですね。


NLPのアンカリングというのは、ある情報をきっかけとして、特定の反応、及び感情を引き出すという作業です。
一番顕著な例がスポーツで、例えば試合前に一礼する事で感情をたかぶらせ、ガッツポーズする事でより集中力を高める、などの行為のことをアンカリングといいます。


このアンカリングの特徴は、ある意味では自己暗示やゲン担ぎに近いかもしれません。
ある特定の行動を行う事で、最高のパフォーマンスを発揮できるという状況を体系化させるという考え方なので、ゲン担ぎなどは立派なアンカリングといえます。

このアンカリングというのは、いわば暗示です。
自分自身に対して、これをやったから大丈夫、という暗示をかけることで、精神レベルも安定させる事ができますし、より向上させることもできます。
極端な事を言えば、努力自体がアンカリングです。
これだけ努力したから必ず成果が出る、というのも、努力をトリガーとしたアンカリングといえます。


つまり、アンカリングというのは、日常生活のないかで自然に行われている事です。
象徴的な行動を行う事で、それがひとつの引き金となり、集中力を引き出し、結果を良い方向に導くという概念ですから、普段生活をしている中でも無意識に行っている事と言えます。
科学的根拠の必要性がないので、余計日常と近い作業といえるでしょう。